「相棒」・終わりの始まり、その1

 刑事ドラマ「相棒」の「season13」が去る3月18日放送の最終回、第19話「ダークナイト」をもって終わってから、もうじき7か月が経とうとしている。

 「season13」の最終回について、これまで、私は、あえてブログ記事を書かなかった。理由は、最終回の筋立てがあまりにも馬鹿馬鹿しいものだったからだ。馬鹿馬鹿しさの酷さに憤慨し、とてもブログに書く気になれなかった。

 あれから、7か月近くが経過し、ようやくにして気持ちが落ち着き、この辺で「相棒season13」最終回に関し、論評しておかねばと、ペンを手に取ることにした。


 津軽のシニアブロガーは、刑事ドラマ「相棒」と共に人生を歩んできているようなものだ。あまたある番組の中で、「相棒」が一番好きだ。もう12年以上にわたり、ほとんど欠かすことなく視聴してきている。

 その歴史を踏まえて考えた場合、「相棒season13」最終回は、「相棒」史上、そして刑事ドラマ史上、一番の駄作である。

 最終回の筋書きの中で、過去に、成宮寛貴演ずる甲斐享の高校時代からの親友、梶の妹が通り魔に30か所も刺されて殺された。捕まった犯人は、裁判で、脱法ドラッグを吸って犯行に及んでいて心神喪失の状態にあったとし、責任能力なしで無罪になる。釈放後、犯人は、何者かに襲われて重傷を負う。

 犯罪者が脱法ドラッグを吸っていて心神喪失の状態にあったがゆえに無罪は、刑事ドラマ的にあり得る話だ。

 そして、法で裁ききれない犯人を甲斐享刑事が制裁を加え、半殺しの目に合わせるのは、刑事としてどうかと思う。が、甲斐享の親友、梶が復讐のため、犯人を殺そうとしていたから、甲斐享が親友に人殺しをさせないために、自分が犯人に制裁を加えるということであれば、あり得る。刑事ドラマ的に仕方がない。

 だから、ここまでであれば、甲斐享の犯行が露見し、やはり刑事にあり得べからざる行為として、懲戒免職になるとともに、刑に服するということは、あり得る。

 しかし、問題、それも致命的な問題は、甲斐享の犯行が親友、梶の殺人行為を回避するための犯人への復讐という事件にとどまらなかった点である。
 
 これを含め、2年足らずの間に、5件の連続暴行事件が発生する。いずれも、犯人は、警察の手が及ばない悪党に制裁を加えるといった調子で、犯罪者だけを狙った半殺し事件である。

 この5件の連続暴行事件の犯人は、「ダークナイト」と呼ばれ、世間で注目が高まる。そりゃ、実際にあっても、世間は騒ぐよね。

 で、「相棒season13」最終回では、甲斐享こそが「ダークナイト」だとなるのだ。当然、懲戒免職になり、刑に処されるわけだ。


 しかし、相棒、甲斐享が「ダークナイト」となることは、あり得ない。あり得ないことをあるとしたがゆえに、「相棒season13」最終回は、「相棒」史上、そして刑事ドラマ史上、一番の駄作となってしまった。

 なぜ、あり得ないのか。それは、相棒、甲斐享が登場し始めた「相棒season11」の第1話から「相棒season13」最終回の一つ前の第18話までを観ていれば分かる。3年に及ぶストーリーの中で提示されている甲斐享の人格に照らし、あり得ない。

 最終回の前話までであり得ないことを、最終回に、いきなり、取って付けたように、ある、としてしまったのだ。

 こんなやり方を観せつけられると、思ってしまう。これでは、「相棒」の終わりの始まり、である。

 津軽のシニアブロガーは、刑事ドラマ「相棒」と共に人生を歩んできているようなものだから、言いたいことは、まだ続く。


 
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