わさおの俳句教室日誌・「俳句の作り方」

 昨年の春、小学校5年生時以来の親友、Kさんが数年来俳句修業に勤しんでいることを知った。それに触発され、2015年5月13日から、Kさんと一緒の俳句教室に通い始めた。

 わさおが俳句教室に通い始めた直接の動機は、Kさんと、月2回の俳句教室で遊べるからである。それとともに、特に最近は、我が俳句作りの上達において、Kさんの俳句から刺激を受けることが多い。

 わさおとKさんは、小学校5年生時以来、ある意味では似通った人生を送って来ているから、俳句作りのスタンスも、大きな括り方をすれば、共通性がある。もちろん、両者とも、意味不明なとか暗いとかの俳句はない。

 同じ季語で同じ題材で俳句を作ってみると、Kさんの俳句の作り方が上手くて、大いに感心することがある。


 2016年4月27日の俳句教室は、陸奥湾を臨む合浦(がっぽ)公園における吟行形式で行われた。合浦公園は、全国的にも珍しい海浜公園であり、4月27日は、園内における660本の桜が満開の、絶好の花見日和であった。

 吟行のまとめとしての句会は、満開の桜の下でだ。場所取りにシートを敷き、わさおとKさんは、そこに座りながら、句を唸ることとした。

 すると、14、5メートル先の二人掛けのベンチに、一人のシニア男性が座った。年齢は、八十歳を超えた感じだ。

 彼は、ワンカップを取り出し、おもむろに飲み始めた。時折、焼き鳥らしきものを食べる。時間は、ゆっくり流れる。ワンカップは、三つ目くらいに手がかかる。

 八十歳超のシニア男性が一人で酒を飲みながらの花見だ。人出が多く、絶好の花見日和であることもあり、彼の風情には寂しさは感じられない。元気な八十歳超シニアが一人で花見をするという余裕が漂う。

 そのうち、シニア男性が歌い始めた。歌は、昭和歌謡だ。こんな場には、昭和歌謡がよく似合う。歌は、4、5曲にも及ぶ。ワンカップの数もそれに負けていないだろう。この八十歳超シニアは、大したもんだ。

 すると、彼が話しかけ始めた。誰に? もちろん、彼が一人での花見だ。話の中身は分からないが、言葉のいくつかと雰囲気からして、彼の奥さんに話しかけているようだ。

 ひとしきり話しかけ、歌っていた。が、やがて八十歳超シニアの花見は終わり、立ち去った。


 4月27日の俳句教室においては、各自が5句を詠んだ。わさおとKさんの俳句の中に、期せずして、くだんの八十歳超シニアの花見を詠んだ句がある。それを以下に掲げる。

津軽わさお作

 一人飲みつと歌い出す花見かな

Kさん作

 一人酒だれと語るか花吹雪

 この場合、八十歳超シニアの行為は、一人で酒を飲むことのほかに、歌うことと話しかけることである。俳句作りは、五七五の計十七音字の中に、読み込まなければならない。となれば、歌うことと話しかけることのどちらを取るかだ。

 彼は、おそらく亡き奥さんと語り、かつ、歌っていたのであろう。とすれば、話しかける方を選び、前後に、一人酒と花吹雪を配するのが、味わい深い。

 Kさん作は、一人酒で一人の人生を、花吹雪で人生の花と散り際を表現し、だれと語るかで人生模様を詠み込んでいる。映像の鮮やかさ、渋さ、華やかさ、切なさ、と相まって、まさにお見事である。




 
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