「相棒」・衝撃のスタート

  「相棒season13」は、2015年3月18日放送の最終回、第19話「ダークナイト」をもって終わった。メディアは、その結末を衝撃的だと報じたが、衝撃的どころか、アホらしい終わり方だ。

 相棒、甲斐享が、警察の手が及ばない悪党に制裁を加える、5件連続の半殺し事件の犯人だというのだ。その犯人は、世間から「ダークナイト」と呼ばれる。「闇の騎士」とか「闇夜」の意味なんだろう。

 しかし、相棒、甲斐享が「ダークナイト」となることは、あり得ない。甲斐享が登場し始めた「相棒season11」の第1話からの3年に及ぶストーリーの中で提示されている甲斐享の人格に照らし、あり得ない。

 最終回の前話までであり得ないことを、最終回に、いきなり、取って付けたように、ある、としてしまったのだ。


 そして、2015年10月14日、「相棒season14」が第1話「フランケンシュタインの告白」をもって始まった。

 四代目相棒、反町隆史が演ずる冠城亘の登場だ。反町隆史は、いい役者だけに、存在感ある相棒を演じている。水谷豊演ずる杉下右京との掛け合いも面白い。

 しかし、第1話の設定中に、いくらなんでもあり得ず、がある。


 甲斐享の父親、石坂浩二演ずる甲斐峯秋は、警察庁次長である。全国にまたがる警察組織の実質ナンバーツーであり、次期警察庁長官と目されている。

 甲斐峯秋は、エリート中のエリートであるのに対し、息子の甲斐享は、警察官の中で圧倒的多数のノンキャリア組である。甲斐峯秋は、息子が父親と同じようにはいかないことがあることは理解しつつも、時として甲斐享を不甲斐なく思うこともある。

 設定上、甲斐享が「ダークナイト」となったきっかけは、親友の殺人行為を回避するためである。

 親友、梶の妹が通り魔に30か所も刺されて殺された。捕まった犯人は、脱法ドラッグを吸って犯行に及んでいて心神喪失の状態にあったとし、責任能力なしで無罪になる。

 梶が復讐のため、犯人を殺そうとしていた。甲斐享は、人殺しをさせないために、自分が犯人に制裁を加え、半殺しにする。

 しかし、致命的なのは、甲斐享が警察の手が及ばない悪党に制裁を加える、犯人「ダークナイト」であるという設定だ。

 逮捕された甲斐享は、最初の半殺し事件にとどまらず、なぜ5件連続の半殺し事件を犯したのかと問われる。それに対し、「自分でも分からない。ダークナイトへと変わったことが。世間から賞賛されることが、ダークナイトを育てたのかもしれない」と答える。

 当然、こんなシナリオは、説得力がない。「分からない」では、分からないのだ。


 そして、もっと分からないことが出てきた。

 「相棒season14」の第1話に、甲斐享の父親、石坂浩二演ずる甲斐峯秋が、警察庁次長の職から警察庁長官官房付に降格になったとはいえ、その権力は健在なままで登場してきたのだ。

 「相棒season13」最終回は、「ダークナイト」甲斐享の逮捕で終わっている。その後、どうなったかは分からない。

 しかし、5件連続の半殺し事件の犯人「ダークナイト」であれば、警察官としては、失格である。子は子、親は親だとしても、「ダークナイト」の父親が警察庁次長の職から警察庁長官官房付に降格になったとはいえ、その権力は健在なままでいることは、いくらなんでもあり得ず、だ。

 刑事ドラマだとしても、石坂浩二演ずる甲斐峯秋がその権力は健在なままという設定をなぜするのか。それは、脚本家がアホだから。としか言いようがない。

 「相棒season13」最終回で、その前話までであり得ないことを、最終回に、いきなり、取って付けたように、ある、として「ダークナイト」を持ってきた。やってはならないことをやってしまった。であれば、後始末はきちんとしなよ。

 エリート中のエリートである甲斐峯秋は、時として甲斐享を不甲斐なく思ってきたし、挙句の果てが「ダークナイト」ときた。しかし、甲斐享は、自分の愛する息子であり、不憫だと思うのが親子の情愛である。

 であれば、出てくる結論はただ一つ。甲斐峯秋の警察官僚辞職である。甲斐享を不憫に思い、辞職する。

 しかるに、甲斐峯秋の権力は健在なまま登場。まさに衝撃のスタートである。




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