張本勲氏よ、ご意見番を「もうお辞めなさい」。「喝!」。

戦後70年の今、日本のスポーツの歴史を振り返ると、団体競技では、戦後からずうっとプロ野球が圧倒的な隆盛を誇ってきたと言える。その圧倒的な隆盛の基となったのは、長嶋茂雄選手と王貞治選手の大活躍である。

 ミスタープロ野球と呼ばれる長嶋茂雄選手と世界のホームラン王たる王貞治選手の二人が主役であり、あとの選手は、いくら優れた業績を残しても、脇役にすぎない。それだけ、長嶋茂雄選手と王貞治選手の存在は、圧倒的に大きい。
 

 そして、近年、プロ野球の人気に勝るとも劣らない力をつけてきたのがプロサッカーである。サッカー日本代表が日の丸を背負い、世界の強豪国と渡り合う時のワクワク感は、プロ野球の試合の比ではない。

 なんといっても、世界全体のスポーツ界において、サッカーと野球とでは、競技人口、観客数等々、いろんな要素で比較してみれば、サッカーの方が圧倒的にメジャーである。

 そうした中で、日本サッカーが強くなってきたのには、せいぜいここ二十年ほどの歴史があるにすぎない。それは、サッカー日本代表選手をはじめとするサッカー関係者のたゆまぬ努力の賜物である。


 今から約21年前の1993年10月28日。東京に出張していて、合間に、サッカー日本代表の試合のテレビ実況中継を観ていた。

 ワールドカップ(W杯)アメリカ大会のアジア地区最終予選の試合で、カタールのドーハのアルアリ・スタジアムで行われた日本代表とイラク代表の試合である。この試合に、日本代表のW杯初出場がかかっていた。

 日本は、前半に三浦知良選手の先制点でリードしたものの、前半終了間際に追いつかれた。が、後半に入って、中山雅史選手の勝越しゴールで2-1と日本が再びリードした。

 試合が進み、後半のロスタイム。このまま日本が逃げきるだろう。しかし、その期待も空しく、ロスタイムの残りわずかのところで、イラクに同点弾を許してしまった。結果、2-2の引分けに終わり、日本は、W杯初出場を逃した。

 あの試合、日本は、九分九厘、W杯初出場を手中にしていた。が、最後の最後に、スルリと抜けていった。まさに、そんな感じだ。茫然として、天を仰ぐ、三浦知良選手、中山雅史選手らの日本代表選手たち。その胸中を察するにあまりある。そして、テレビ放送を目にした日本国民の落胆たるや。

 これがいわゆるドーハの悲劇である。この時、サッカーの試合は、何が起こるか分からないことを、それだからこそ、逆に、サッカーの試合はおもしろいことを知った。

 思い起こせば、サッカー日本代表のW杯への道は、ドーハの悲劇から始まった。その瞬間から、日本サッカーのすべてが始まった。

 あれから20年以上が経ち、サッカー日本代表は、1998年フランス大会から2014年ブラジル大会まで、W杯で5大会連続出場をしている。

 この間、プロ野球における長嶋茂雄選手と王貞治選手のように、日本サッカー界を盛り上げてきた二人の主役がいる。三浦知良選手と中山雅史選手だ。中山雅史選手は、数年前に引退したものの、三浦知良選手は、48歳の今も、現役バリバリである。彼がいかに日本国民に勇気を与えていることか。なんと素晴らしいことだろう。


 2015年4月12日、ネットで、信じ難い、サンケイスポーツの配信ニュースが流れた。張本氏がカズに「もうお辞めなさい」発言 ネットで炎上、とのタイトルが付いている。配信ニュースに曰く。

 野球評論家の張本勲氏(74)が12日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・0)のスポーツコーナー「週刊ご意見番」で横浜FCの元日本代表FW三浦知良(48)に「もうお辞めなさい」と引退を促す発言をした。

 5日の磐田戦で48歳1カ月10日のJ最年長ゴールを決めたカズ。11日に行なわれた熊本戦では9年ぶりの2戦連発が幻に終わったが、張本氏は「カズファンには悪いけども、もうお辞めなさい」ときっぱり。「J2は野球でいうと2軍だから話題性がない」と独特の言い回しでいうと、「若い選手に席を譲ってやらないと。しがみつく必要はないでしょ、これほどの選手なんだから。指導者に」とコメント。

 しかし、張本勲氏のこの発言を聞くと、張本氏こそ、スポーツ界のご意見番を「もうお辞めなさい」だ。

 「J2は野球でいうと2軍だから話題性がない」、「若い選手に席を譲ってやらないと。しがみつく必要はないでしょ」とは、なんだ。こんなのを聞くと、あまりの無理解に、寂しく、悲しくなる。張本氏も老いてしまったものだ。

 「J2は野球でいうと2軍だ」という発想は、言わば日本プロ野球の遺物が持ちがちな発想だ。日本サッカー界は、上から下まで、全体で対世界で強くなろうとしているのだ。

 三浦知良選手には、「しがみつく」なんていう気持ちはまったくない。三浦知良選手は、若手選手に伍して、あくなき挑戦を続けているだけだ。人間の限界に挑んでいるのである。

 野球で「日米ともに殿堂入りする選手」と目されている41歳のイチロー選手しかり。42歳にしてなおかつスキージャンプでの世界最年長優勝記録を更新し続ける葛西紀明選手しかり。真のアスリートが見せてくれる醍醐味である。

 三浦知良選手の崇高な挑戦の真理を理解できなくなっている、張本勲氏よ、ご意見番を「もうお辞めなさい」。「喝!」。



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