「相棒・相棒 伊丹 殉職はあり得ず」

 4月26日から「相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ-」が公開される。

 それを前にして、最近、「相棒 伊丹 殉職」の検索キーワードで私のブログにアクセスする人が相次いでいる。

 なぜか。それは、私が一番好きなドラマは刑事ドラマ「相棒」であり、これまで、「相棒」について何本かブログ記事を書いてきているからだろう。「相棒 伊丹 殉職」のキーワードで検索をかけるぐらいだから、よっほど捜査一課の伊丹憲一刑事が好きなのだろう。

 しかし、それにしても、「相棒 伊丹 殉職」とは、穏かでない。


刑事ドラマのシリーズもので刑事役を交代させるときの定番は、刑事の殉職だ。

 昭和の時代の刑事ドラマ「太陽にほえろ」では、何人もの刑事が殉職した。萩原健一演じる通称マカロニ、松田優作演じる通称ジーパン、勝野洋演じる通称テキサスなどの殉職シーンは、何十年経った今でも、鮮明に思い出す。

 しかし、刑事ドラマの人気刑事の役どころには、感情移入して観ているので、視聴者としては、できれば、殉職でない方法で刑事役を交代させてほしい。

 その点、刑事ドラマ「相棒」の脚本家先生は、これまで、感情移入が甚だしい視聴者のことを考えてくれている。水谷豊演じる警部杉下右京の相棒は2度変わっているが、変わる前の相棒は殉職していない。

 初代相棒の寺脇康文演じる亀山薫刑事は、親友が殺された事件をきっかけに警視庁を退職し、海外でのNGO活動に従事すべく、妻と共に外国へ旅立つ。

 二代目相棒の及川光博演じる神戸尊警部補は、自分が深く関与した事件をきっかけに特命係を去り、警察庁長官官房付に転身する。その後の「相棒」では、神戸尊警部補の消息が話題になることもある。

 まあ、殉職以外であれば、「相棒」の世界では、生きていて何らかの形で活躍しているわけだから、その方がいい。

 3月中旬、「成宮寛貴、『相棒12』最終回でまさかの殉職…!?」という配信ニュースが流れた。これは、『相棒season12』の最終回2時間スペシャルで、成宮寛貴演じる甲斐享が銃撃されるシーンが予告編にあることによる。

 しかし、こうしたニュースを目にしても、結論は、甲斐享のまさかの殉職はあり得ない、だ。
 
 「相棒」では、2010年の「劇場版Ⅱ」で初期からのレギュラーだった岸部一徳演じる小野田官房長が殉職している。ただ、これは、杉下右京の相棒の殉職ではない。

 「相棒season12」の元旦スペシャルでは、予告編に片桐竜次演じる内村刑事部長が銃撃されるシーンがあり、ネッでは、内村刑事部長の殉職という推測が流れた。が、これは外れている。

 「相棒season12」では、杉下右京の相棒ではない内村刑事部長でさえも殉職を免れたのに、杉下右京の相棒である甲斐享が殉職したら、どうなるか。非難轟々雨あられとなってしまう。炎上ものである。

 したがって、甲斐享が銃撃されるシーンが予告にあるとしても、甲斐享の殉職はない。

 結果は、もちろん甲斐享の殉職はなかった。


 津軽のシニアブロガーには、杉下右京の相棒の殉職はあり得ない、という確信がある。

 その根拠はあるか? ある。

 杉下右京を演じる水谷豊も、そして脚本家先生その他のスタッフも、昭和の大人気刑事ドラマ「太陽にほえろ」を観ながら、育った。彼らにとって、刑事ドラマ「太陽にほえろ」は最大の目標であり、ドラマの質おいて、常に「太陽にほえろ」を越えることを意識している。

 水谷豊や脚本家先生その他の相棒スタッフは、みんな、若い時に、「太陽にほえろ」における萩原健一演じる通称マカロニ、松田優作演じる通称ジーパン、勝野洋演じる通称テキサスなどの殉職に涙した。とても辛かった。

 だから、相棒スタッフが杉下右京の相棒を殉職させることはあり得ない。

 しかし、問題は、杉下右京の相棒以外の登場人物について、殉職があるかどうかだ。

 前述のように、「相棒」では、2010年の「劇場版Ⅱ」で初期からのレギュラーだった岸部一徳演じる小野田官房長が殉職している。だから、杉下右京の相棒以外の登場人物について、殉職の先例はあるわけだ。

 それじゃ、捜査一課の伊丹憲一刑事の場合はどうか。

 捜査一課の話をすれば、昨年10月、「相棒season12」がスタートした第1話で、いきなりサプライズがあった。

 捜査一課の三人組の要である大谷亮介演じる三浦信輔刑事の件だ。三浦刑事は、係長に昇進したのも束の間、犯人一味の一人から足を刺されて重傷を負ってしまう。一生杖が手放せない状態になってしまい、三浦係長は、警視庁を退職してしまったのだ。

 三浦信輔係長の退職は、相棒ファンにとって大きなショックであったが、殉職でないことがせめてもの慰めである。

 捜査一課は、元々三人組であり、大谷亮介演じる三浦信輔刑事が昨年10月の「相棒season12」第1話で警視庁を退職したばかりだから、伊丹刑事の交代は当分あり得ない。

 4月26日から公開される「相棒 -劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ-」の予告篇に、伊丹刑事の殉職ないし交代を示唆するかのような紛らわしいシーンがあるらしい。

 しかし、三浦信輔刑事が退職したばかりだから、伊丹刑事の殉職ないし交代はない。

 というよりか、「相棒 -劇場版III」の映画のストーリーが「相棒season11」と「相棒Season12」の間の出来事だそうだから、伊丹刑事の殉職ないし交代はあり得ない。

 ただ、今はなくとも、この先はどうかとなると、話は別だ。伊丹刑事の殉職はあるかもしれない。

 川原和久演じる伊丹憲一刑事は、杉下右京の初代相棒の亀山薫刑事時代に初めて観た時、あくが強く、ヤクザか犯人かと見間違った。とても、刑事には観えなかった。

 私たちは、刑事ドラマ「相棒」の役どころには、感情移入して観てしまっているので、伊丹刑事は、「相棒」の中に居つつ、あたかも現実社会にも存在するかのように錯覚して思い込んでいる。

 「相棒」という刑事ドラマの中のことだから、伊丹刑事が交代することがあってもおかしくない。ドラマの中だもの。しかし、「相棒」ファンは、そう簡単には割り切れない。あれこれ考えてしまうのだ。

 で、伊丹刑事が交代するとき、同じ刑事として、転勤することが考えられるが、それだとインパクトがない。エッー、あの伊丹が転勤だとさ、ナーンダとなる。

 となれば、刑事を辞めて交代というパターンだ。その方がインパクトが強い。

 しかし、そこで、ハタと考え込んでしまう。伊丹刑事に感情移入してしまっているからだ。で、伊丹が刑事を辞めて何の職業に就くのかとなる。あくが強く、ヤクザか犯人かと見間違ってしまうほどの伊丹だ。

 刑事以外の職業を伊丹はやれるの? やれないよな、あれでは。じゃ、ヤクザにでもなれば。しかし、それはあんまりだよ。みんなが考え込み、悩んでしまう。刑事以外の職業はやれない。かといって、ヤクザはあんまりだ。

 そのときだ。答が出る。そんな伊丹君なら、しょうがない。    殉職だ。

 だから、この先、何年かして、伊丹憲一刑事の殉職はあるかもしれない。



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