「ラーメンの勉強・麺と面」

連日真冬日が続く寒い冬は、温かい食べ物を食するに限る。温かい食べ物としては、ラーメンを思い浮べるが、ラーメンは、四季を通じて日本国民に愛される国民食といっても過言でない。

 青森県において、県庁所在地の青森市は、人口29万人の県内最大都市であり、ラーメン激戦地である。津軽ラーメンのほかに、札幌ラーメン、佐野ラーメン、尾道ラーメン、熊本ラーメンがあり、昨年、2013年の11月には、博多ラーメン店「めんくいや」がオープンした。

 店名の「めんくいや」は、博多ラーメン店だから、漢字を当てれば、麺食い屋であろう。麺を食うから、麺食いだ。

 麺食いの麺の字は、ばくにょう(麥、麦)に面と書く。一方、面食いという言葉がある。面食いとは、面(顔)を食う人という意味で、顔立ちがよい人ばかりを好むことを指す。元来、津軽のシニアブロガーは、面食いである。

 つまり、面食いであると同時に麺食いなのだ。どちらも「めんくい」であり、両者の違いは、ばくにょう(麥、麦)がついているかどうかだ。

 「めんくい」の麺食いと面食いの関係は、どのように理解すればいいのだろうか。津軽のシニアブロガーの知的好奇心が頭をもたげる。

 で、例によって、ネットで調べた。そうしたら、漢字の成り立ちなどにおいて諸説が分かれている。したがって、自分で熟読玩味し、自分なりの考え方をまとめてみた。


① 象形文字(しょうけいもじ) 米、分

 漢字には、象形文字の要素がある。象形文字とは、ものの形をかたどって描かれた文字であり、絵文字からの発展によって生まれたと考えられている。

 例えば、「月」も、象形文字である。三日月のような欠けた月の形をかたどって描かれた文字が「月」である。

 粉(こな、フン)の字は、米と分に分解できる。この米と分は、それぞれ象形文字である。

 「米」の字は、「横線とその上下に六点」の形をしている。「横線が穀物の穂、六点がその実」をかたどって描かれた文字が「米」である。
 「分」の字は、「刀で切り分ける」象形からできている。

 米と分から「こな」を意味する「粉」という漢字が成り立った。つまり、「横線が穀物の穂、六点がその実」の象形文字の「米」と「刀で切り分ける」象形文字の「分」の組み合わせで、「粉」ができているわけだ。

② 形声文字(けいせいもじ) 粉

 「粉」は、形声文字の一つである。形声とは、意味を表す文字と音声を表す文字を組み合わせて、新しい意味を表す漢字を作る方法であり、形声によって作られた漢字を形声文字という。漢字の90%以上が形声文字である。

 「粉」は、意味を表す文字の「米」と音声を表す文字の「分」を組み合わせて作られた形声文字であり、「粉」は、米の粉を意味する。元々、「粉」は、米の粉なのである。

 そして、話は、「麺」の番となる。

 麺の字は、ばくにょう(麥、麦)と面に分解できる。

 「麦」の字は、元の字が「麥」で、來(来)と夊(すい)とを組み合わせたものである。

③ 象形文字(しょうけいもじ) 來(来)

 來(来)は、穂が左右に出た麦を描いた象形文字。それに夂(足)を添えて、麥ができた。

 
④ 指事文字(しじもじ) 夊

 指事文字とは、絵としては描きにくい一般的な事態を、抽象的な約束や印であらわした字をいうが、夊(すい)は、指事文字の一つで、足を意味する。

 來は麦の形を表し、夊は足を意味するから、麥で、麦踏みの意味になる。

⑤ 会意文字(かいいもじ) 麥、麦

 会意(かいい)とは、漢字の造字法の一つで、象形文字または指事文字を組み合わせること。会意によって作られた漢字を会意文字という。

 例えば、「休」は、「人」と「木」によって構成され、人が木に寄りかかって休むことから「やすむ」の意味を表わす字として作られた。
 
 「麥」、「麦」の字は、穂が左右に出た麦を描いた象形文字である來(来)に、足を意味する指事文字である夂を組み合わせており、麥で、麦踏みの意味になるわけだ。

 「麥」、「麦」で、麦踏みを意味し、麦踏みが終われば、麦という穀物が生産される。

⑥ 指事文字(しじもじ) 面

 「面」は、指事文字で、「人の頭部」の象形と「顔の輪郭をあらわす囲い」 から、人の「かお・おもて」を意味する「面」という漢字が成立した。「面」は、平らな広がりをも意味するようになった。

⑦ 形声文字(けいせいもじ) 麺

 「麺」は、形声文字の一つである。形声とは、意味を表す文字と音声を表す文字を組み合わせて、新しい意味を表す漢字を作る方法である。

 「麺」は、意味を表す文字の「麦」と音声を表す文字の「面」を組み合わせて作られた形声文字であり、会意文字の「麦」と指事文字の「面」の組み合わせで、「麺」ができているわけだ。

 会意文字の「麦」は、麦踏みを意味し、麦踏みが終われば、麦という穀物が生産される。

 会意文字の「麦」は、指事文字の「面」との組み合わせにより、「面」の持つ平らな広がりの意味合いを取り込んだ。

 その場合、穀物のままの麦を、平らな広がりにするのは、いかがなものかとなる。

 麦は、米のように煮て食することができるが、米粉のように、麦粉にしてから食することもできる。

 したがって、「麺」は、麦粉を平らな広がりにすること、つまり麦粉に水を加えた生地を麺棒(めんぼう)で均一に薄くのばす状態にし、それを経た食材を指す。

 漢字の本家・中国では、「麺(簡体字では面)」(ミエン)は、小麦粉を指し、小麦粉を水でこねて細長くしたものは、「麺条(面条)」と呼ぶそうだ。

 以上、あれこれ漢字の勉強をしてきたが、その成果として、私の理解をまとめる。

① 「麦」は、麦踏みを意味し、麦踏みが終われば、麦という穀物が生産される。だから、「麦」は、穀物の麦をも意味する。

② 「面」は、「人の頭部」の象形と「顔の輪郭をあらわす囲い」 から、人の「かお・おもて」を意味する。「面」は、平らな広がりをも意味するようになった。

③ 「麦」と「面」がくっつき、「麺」ができた。「麺」は、麦粉に水を加えた生地を均一に薄くのばす状態にし、つまり面状にし、それを経た食材を指す。


 漢字を創り出した人類は、人間相互を見分ける顔に着目し、人の「かお・おもて」を意味する「面」という漢字を作った。
 知的動物である人類は、「面」に、平らな広がりの意味合いも持たせるようになった。

 また、人類は、小麦粉を水でこねてダマを作り、めん棒で面状にのばしていくという過程を経て、麺という食材を考案した。これに伴い、「麺」という漢字ができた。

 人間は、「麺」を食うようになって、麺食いという概念が成立した。しかし、それだけで終わらなかった。

 知的動物である人間は、麺食いをしながら、「麺」という漢字の成り立ちを振り返った。
 
 「麺」は、「麦」と「面」がくっついたものである。であれば、「麺」食いができるのであれば、「麦」食いと「面」食いもできるはずだ。

 このうち、「麦」食いの方は、できるはずだと考えるまでもなく、できる。

 しかし、問題は、「面」食いの方だ。現実には、人の「かお・おもて」を食うことはできない。でも、できないからといって、知的動物である人間は、諦めなかった。

 頭を働かせた人間は、「面」食いに、面(顔)を食う人という意味で、顔立ちがよい人ばかりを好むことを指す意味合いを持たせるようになった。面食いという概念の成立である。

 ゆえに、人間は、すべからく、麺食いであるが、みんながみんな面食いではない。美女はいいが、普通でもいいし、ブスだって構わない、という人間は、世の中で少なくない。

 それでは、改めて問う。津軽のシニアブロガーは、いかん?

 私は、もちろん、麺食いにして、面食いである。


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